Health Rhythms とは?
メンバー相互にエンパワー(勇気づけ)しあい、逆境に負けない心(レジリエンス)・柔軟性と社会性を高めるための、米国REMO社が開発した、科学的な根拠に基づいたドラミングプログラムです。
百聞は一見にしかず、まずは私の指導者であり、メンターでもあるマーガレット・スオーリーが青少年グループをファシリテートしている映像をどうぞ。
この青少年達は、生まれ育つ環境の中で、それぞれが、それぞれの闇を抱えた子達です。レイプされたり、イジメられたりの中で、人を信用できずに引き込もったり、また逆に情動が抑えられずに暴力に出たり。自己効力感を失いかけ、それが反社会的行動に拍車をかけ、悪循環が続くこともあります。
それが、この映像はどうでしょうか?
見るからに素敵な笑顔です。目が輝いています。楽しい笑い声が聞こえます。そして、リズムが合っています。
実は、リズムを合わせるということは、すごいことです。
ヒトという生き物の様々な能力が、そこで引き出されることになるからです。
周囲を見て、タイミングを見計らい、叩くことを真似る、
周囲の音を聞いて、音量を調整する、など
リアルタイムの変化に応じて
視覚、聴覚、身体感覚のすべてを模倣しながら、
しかもその感覚を統合し、次に起こることを予測しながら
かつリアルタイムにその予測を自己調整しながら
集団として叩くことができなければなりません。
このような高度な能力を持つのはヒトという生き物だけではないでしょうか。
また、音楽を使用することの効果としては次の点も研究者から指摘されています。
・ひとのからだの共通性に基づく普遍的特性と、個人の嗜好や生活史に深く関係する個人的特性の両方を併せもつ
・知的な過程を通らず、直接情動に働きかける
・感情移入がしやすく、活動に意識レベルと無意識レベルが混在して表出される
・美的感覚の満足を満たす表現創作活動で、自己愛の充足をもたらしやすい
・投影性と身体性により、情動の直接的発散をもたらす
・生理的なリズム、情動表出と関連があり、身体的運動を誘発する
・言語性と身体性を併せもつプリミティブな表現特性がコミュニケーションの基盤となる
このようなことから、HEALTHRHYTHMSは逆境に負けない心(レジリエンス)・柔軟性と社会性を高めるための大変有効なプログラムだと考えています。
さて、以前はHEALTHRHYTHMSのプログラムは1種類だけでしたが、現在は以下の2つのプログラムが提供されています。
(1) 一般のHEALTHRHYTHMSプログラム
(2) HEALTHRHYTHMS adolescent プログラム
米国REMO社では、このプログラムのファシリテーター養成プログラムを提供しています。
私もこの2つのファシリテーター養成プログラムを米国で修了してきました。
文献紹介(作成中)